デンキ的まんが倶楽部

電子書籍(まんが)を売るための情報収集を日々しております。

「絵を見る技術」という本を参考にして、イラストを描いてみました。

f:id:naruton2018:20191231140333j:plain


「絵を見る技術」
という本が話題になっているらしいので、買って読んでおります。この本には歴史的に有名な絵画をサンプルにしてその中の構図を分かりやすく解析し、その絵がどうして人の目を引き付ける力を持っているのかを解説してくれていておりまして絵を観賞するのが好きな人だけでなく写真、マンガの一コマの中の構図、キャライラストなどを手掛けているクリエーター全般にとってもいい参考書になってくれると思います。

 

実際今年の年賀状イラストも実はこの本を読んでから考えて描いたものでして、まことに手前味噌かつ僭越ながら拙作イラストをどういう意図で描いたのが説明させていただきます^^) _旦~~

f:id:naruton2018:20191231125308j:plain

*先ずは絵の「フォーカルポイント」を決める。

フォーカルポイントというのはその絵の中で鑑賞者に一番注目してもらいたい部分の事をいうそうですこの絵の場合一番は顔から胸、次にえちえちな腰の丸み、そして細長い尻尾のカーブにしてみました。

 

*フォーカルポイントに鑑賞者の目が向かうように目線を誘導する

ただフォーカルポイントを設定したとしても鑑賞者がすんなり絵師の思い通りの部分に注目してくれるとは限らないので、鑑賞者の目線が自然にフォーカルポイントに向かうように誘導する構図にする必要があるそうです。古今東西の絵師はここを一番工夫しているんだとこの本を読むとよく分かります)

 

なのでこの絵では顔→胸→腰→尻尾を同一カーブ線上に配置し、なおかつ尻尾の先からもう一度顔に戻るように目線を誘導したいと思って、こういう構図にしたというわけです。₍ついでにハートマークにも見えるように工夫してみました)

 

●実際に絵内に示してみるとこんなイメージです。

f:id:naruton2018:20191231130947j:plain

 

*文字と腕を三角形に配置

今作では一応年賀状という事もあり、言葉も絵の中に入れる必要があったのでその文字の配置についても工夫してみました。そこで文章を斜めに配置し動きを出すと同時に腕の向きと合わせて三角形になるようにもしてみました。

f:id:naruton2018:20191231132220j:plain

三角形は絵の中の配置する事で絵が引き立つようになる形だと言われていますので。

 

*バランスの取れた絵にしたくば、キャンパスに対角線と等分割線を引いてから考える

あと全体の構図の取り方について。ぶっちゃけ絵の勉強をちゃんとしている人にとっては基本中の基本なのだそうですが、構図を考える前にキャンパスに対角線と分割線を引いておいてその中で決めてやると均整の取れた見栄えのいいものになるそうです。(人間というのは基本的にバランスが取れたものを見たがる傾向があるんだとか)

f:id:naruton2018:20191231163954j:plain

四等分で足りないなら十六等分に。そうするとひし形が現れるのでこのひし形も構図の参考になりますね。

f:id:naruton2018:20191231164004j:plain

これ以外にもさまざまな等分方法や分割のテクニックを駆使して描いてある絵についても解説がなされておりました。

だけど余程の熟練された絵師でもない限り、この四から十六等分の中で納めるのが一番ベターなんではないかと思います。

●実は今まで一枚絵の構図をあまり意識してこなかった…

実際今までまんがのコマの中の絵はともかく一枚絵の中の構図というものに関してはきちんと意識したことがなく、ただ漫然と思いついたままに描いていたところがあったんですが、この本などを読むと名画と言われるものでも決してフィーリングの赴くまま閃いたものを描いているわけではなく、絵師の緻密な計算の上で描かれているものだという事をちゃんと理解することができました。

この本には他にも色んな名画の構図の取り方のバリエーションとパターンをおよそ300頁にわたって分析して解説してくれているので絵に深い興味のある人ならぜひ。

 

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

 

 

 

2020年、あけましておめでとうございます!

2020年、あけましておめでとうございます! 年賀状の絵柄は昔PSPで出た「シャイニングハーツ」というゲームに出てくる猫娘怪盗シャオメイちゃんにさせていただきました。₍2次創作ですがご勘弁を)f:id:naruton2018:20191229215429j:plain


去年は電子書籍まんがも3巻分出せて、拙作まんがによってほんの僅かづつですが収入につなげる事ができたまことに記念すべき年ではありましたが、俺達の戦いはまだ始まったばかりだと思って頑張りマッスル。₍あれ?)

まあとりあえず今年の抱負といたしましては、

ブログ、noteなどの更新の頻度を上げる 

 ですよねー。とにかく作品制作に時間かかり過ぎて更新の頻度が落ちると訪問者数もたちまち落ちてしまうんで、ブログとかってのは何はともあれ更新ペースをあげなければいけないと思い知しらされておりますのでね。とは言えやっぱり数ページの短編みたいなのをそれなりに上げていきたいと思っておりまして、それにより自分のまんがの知名度拡大を目指すというのが今年からの大きな課題という事になりますでしょうか。

というわけで今年₍から)もよろしくお願いします。m(__)m

f:id:naruton2018:20191229215457j:plain

背景はクリスタに同根されていた「中華柄」を使っております。

 

noteより2019年の成果報告を頂きました。

このはてなブログ以外にも作品投稿などを行っているnoteよりメールでワタクシ個人が今年一年でどれだけの数の作品を投稿し、閲覧者数の累計、もらったスキの数、増えたフォロワーの数などの報告を頂きました。

f:id:naruton2018:20191223214315j:plain

前にも当ブログで書きましたが、noteは3年くらい前に一度始めたもののその後更新を途絶えさせたまま再会させたのが今年の4月で、本格的な連投を始めたのが9月中旬頃だったんで実質的には一年未満の期間にしかなってない事もあり数も比較的には少ない方だとは思いますが、

noteにアップされているまんがの多くが女性が描いた日常系作品が多いなか、オリジナルのほかにもアズレンなどの2次創作系などどっちかと言うとpixivニコニコ寄りなオタク系のワタクシめの作品でもそれなりにポイントは取れるんだなという事は分かりました(実際スキ獲得率は低いですけどね…)

ですが来年は更新ペースをできるだけ縮めるなどして1年間なんとかやってみようと思っております。₍勿論はてなの方の更新もね(^^))

アニメ版「ぼくらの七日間戦争」考察(ヤンキー少年が主役になれなくなった時代で)

f:id:naruton2018:20191218204357j:plain
アニメ版ぼくらの七日間戦争を観てきました。元の実写映画は30年以上前の作品で、ワタクシ自身子供心に何となく「戦車に子供が乗ってる映像」程度の記憶しかなく、今でも実写映画版は未見なのですが、話としては自分達を縛りつけようとする権力を持った大人たちに対して、少年少女が建物に立てこもって結託して反抗するという世代間対立を扱ったものだったようですね。

90年代位までの少年まんがやアニメの少年主人公っていうと、大人の作った仕組みに入るのを嫌うヤンキーとか暴走族が仲間たちと徒党を組んで、他校の生徒だったり学校や教師だったりあるいは化け物軍団とか変な組織と戦う。みたいなのがずっと主流にあったと思うんですが、涼宮ハルヒあたりからでしょうか…主人公のキョンは不良とかのつながりも別にないホントに普通の高校生だったしりて、それ以降あたりからもうまんがやアニメの世界などから不良系の主人公はほとんどいなくなってしまったんじゃないでしょうか?

それじゃあ不良じゃない今の十代が自分達のフラストレーションを例えばどこにぶつけているかと考えると、例えばその中の一つが自分より下だと思っているカーストのクラスメイトだったり全然知らない他人へのネットバッシングへの加勢とかいう方になっているんじゃないかと(実際この映画でも中盤にネットリンチや裏アカを使っての他人へのヘイトというのが出てきます。多分ここが昔の実写映画の時代とは一番変貌した所だと思いますし、それを上手く物語の中に取り入れたところに感心しました)

 

一方で旧作から引き継いでいる権力をもった大人たちとの対決、これも本人たちが望んだことではなくそうならざる得ない状況に追い込まれてしまったからやってやろうという感じで話が進んでいきます。そしてその中の大人たちのを仕切っているボスやリーダーが主人公たちの中の二人のヒロインの実の父親で、基本的に大人社会への反抗というより親子間の対立という色合いが強かったように思われます。

とはいえ実はこの二人のヒロインが二人とも実は×××(ネタバレ禁止)という設定があるのですが、作品中では触れられてなかったもののこの×××のヒロインと親の旧世代の価値観の対立というのがひょっとしてあったんじゃないかという気がしておりますし、もしかすると今まではあまり表には出にくかったこの価値観の対立というのが、これからの時代の世代間対立の新しい火種になるのかもしれないし、それこそこの作品がその始まりを告げているのかも…

 


映画『ぼくらの7日間戦争』予告【12月13日(金)公開】

 

【4頁まんが】ドラゴンと女戦士「こんな出会いがあってもいーじゃない!」

f:id:naruton2018:20191216094808j:plain

フルカラー4ページまんがです。この話に関しては今のところここまでしか考えておりません(つまりただの思いつきっす。(汗))フルカラーではやっぱ大変だし更新頻度も大分落ちるので今後は白黒中心にしようかと思っております。(今1頁と4頁まんがのネタを色々ため込んでおりますので随時当ブログ及びnoteなどに投稿予定)

 

f:id:naruton2018:20191216094850j:plain

f:id:naruton2018:20191216094903j:plain

 

f:id:naruton2018:20191216094922j:plain

 

f:id:naruton2018:20191216094951j:plain

 

はてなブログTwitter告知用にサムネイルを描きおろしました。

ご覧の通り、本編とは別に横長のイラストをサムネイル用に描き足しました。というのもこのはてブからTwitterに更新告知を流す際に画像のサイズを考慮しておかないと非常に不本意な形でトリミングが実行されてしまったことにショックを受けたからです。フェイスブックに流す際はきちんと全サイズ示してくるんですが)

実際以前描いてアップしたの冴えカノのイラスト、本来はこういう感じだったんですが

 

f:id:naruton2018:20191203172231j:plain

実際表示されるときには下記のようにばっさりトリミングされてしまうんですよね…

naruton2018.hatenablog.com

 

とゆーわけ対処法を検索してみたところ、この方のブログにPCでもスマホでも上手に表示されサムネイルのサイズは448×252₍およそ2:1)と書いてあったのでそれにならってみたというワケです。

(実際Twitter上ではてなブログと検索してみるとこのサイズでサムネイルをきちんと使ってる人は多かったです( ゚Д゚))実際サムネイルっていうのはブログないしまんがのトビラ絵というか表紙みたいなもんなんですから、やっぱりそういう部分に対してもきちんと気を遣ってしかるべきなんですよね・・・)

 

 www.zabroow.com



オリジナル長編まんが電子書籍もどうぞ₍冒頭40ぺーじ無料公開中です)


naruton2018.hatenablog.com

 

 

名古屋市美術館で開催中のカラバッジョ展に行ってきました。

名古屋市美術館にて開催中のカラバッジョに行ってきました。カラバッジョミケランジェロ・メリージ・ダ・カラバッジョというのは16世紀末のイタリア、ローマを中心に活動していた写実的な絵を描く画家で、今で言う強烈な怖い絵的な宗教画などを色々と遺しているんですが

半面プライベートはかなり問題の多い人だったらしく、暴力事件を繰り返したり他の画家を罵倒する詩を書いたりそれでついには殺人までやってしまって、結局ローマから逃亡し(尤も逃亡中も絵を描いて遺しているというのはある意味すごい)その後しかし1610年に恩赦を求めてローマに戻ろうとする途中38歳で病死してしまったのこと

今でいう代炎上作家でありましょうし現代なら犯罪を犯した人間の作品なんて間違いなく抹消されてしまうんでしょうけど、当時はそれでも彼の絵の信奉者たちが作品を多く継承し続け、現代の我々もこうして鑑賞できるというのは時代性のおかげって事でしょうか。(写真は当博物館で販売されている図録をカメラで撮ったものです。)

f:id:naruton2018:20191207160135j:plain

 

メドゥ―サの盾

ギリシャ神話の英雄ペルセウスが切り落とした首のイメージ?

f:id:naruton2018:20191207160357j:plain

執筆する聖ヒエロニムス

ヒエロニムスとは聖書をラテン語訳した人のようです。頭蓋骨がなんで置いてあるのかは謎。

f:id:naruton2018:20191207160420j:plain

歯を抜く人

別に暴力行為で歯を抜いているわけではなく、当時はこういう方法でしか歯を抜くしかなかったって事のようです。今みたいに満足な歯科技術がない時代の歯の治療怖すぎですよな(;´∀`)

f:id:naruton2018:20191207160444j:plain

聖アガピトゥスの殉教

首が切断された瞬間の人の絵のようです。カラバッジョはこういう絵を得意としてたって事なんでしょうかね。

f:id:naruton2018:20191207160521j:plain

ゴリアテの首を持つダビデ

あの像でも有名な少年英雄ダビデの絵です。巨人ゴリアテを首ちょんぱした有名なシーンを描いたもので、(他の画家が描いたダビデゴリアテの生首を持ってる絵も色々と展示されておりました。)しかしまた首狩り系の絵とは。

 

f:id:naruton2018:20191207160635j:plain

洗礼者ヨハネ

ヨハネとは新約聖書で筆頭に出てくる説教師です。実際名前は色んな所でよく聞くのではないかと。見ての通りなぜかほとんど全裸の美少年で書かれています(´◉◞౪◟◉)。過去の偉人を理想の形で美形化するっていうのはいつの時代にもやられていた事なのかも。

f:id:naruton2018:20191207160659j:plain

 

カラバッジョ以外の画家の絵

この展覧会ではカラバッジョ以外の影響を受けたそのほかの画家たちの絵もあったのでそれも少し上げておきます。どの画家の絵もまーショッキングなのが多いというか、以前当ブログでも扱った浮世絵の歌川国芳展の時も惨殺シーンや血しぶきシーンを描いた絵が当時人気だったって書きましたけど、どの国でも時代でも基本的にそういう手の絵が好きな人多いってことなんでしょーかねえ(;^ω^)

naruton2018.hatenablog.com

 

 

フィリッポ・ヴィターレ

「ホロフェイスの首を切るユディト

旧約聖書外典」「ユディト書」にあるという、ユダヤの町ベツリアがアッシリア軍に包囲されたとき、アッシリア軍の将軍ホロフェイスに接近し見事暗殺したというユディトという女性が、その暗殺したシーンを描いた時のもののようです。一撃で首を飛ばすんでなく徐々に斬ってる感じが表情含めリアルで怖いっす。

f:id:naruton2018:20191207163004j:plain

 

ジョゼぺ・デ・ペリーラ

洗礼者ヨハネの首

上記にも出てきた説教師ヨハネの首だけの絵。実は本当に切られた首を見て描いたんではないかという説もあったらしいですが今は否定されているとのこと。

f:id:naruton2018:20191207164432j:plain

 

 トンマーゾ・サリー二

「羊に乗る子供と婦人」

キツイ絵が続いてしまったんで最後はきれいな絵を。一般人を描いたもののようですが、モデルについての言及はとくに書いてありませんでした。

f:id:naruton2018:20191207164659j:plain

 

【ネタバレ】劇場版「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」を観てきました。

遅ればせながらアニメ映画冴えない彼女の育て方Fine」を観てきました。話を知らない方のためにおおまかに説明すると

重度のおたく高校生、安芸倫也が桜の舞い散る坂道で運命的に出会った同級生の加藤恵をモデルにした同人ノベルゲームを作ろうと思い立ち、同じく同級生で幼馴染の同人人気イラストレーターの澤村・スペンサー・英梨々と昔サイン会で知りあった同じく同級生の人気ライトノベル作家霞ヶ丘詩羽など他のいろんな美少女クリエイターたちを巻き込んですすんでいくというものなのですが、何と言うかテレビアニメ版では心の琴線に触れるところがあってずっと観ておりました。

 

f:id:naruton2018:20191203172231j:plain

テレビでは今ひとつ出番の足りなかった気のする氷堂サン。映画ではそれなりにあって推しとしてはよかったデス。



それで今回の劇場版は完結編という事で、主人公の倫也はそのメインヒロインの加藤恵とゴールインするまでの総仕上げのような話になっていて(テレビ版では繰り返し入っていたお色気シーンはほとんどカット)( ゚Д゚)めでたしめでたしなのですが、

ブコメ作品において敗れた方のキャラについて語るのはやっちゃいかんと承知の上で書きますけども、英梨々と霞ヶ丘詩羽はクリエイターとして優れた技術をもっていたにも関わるフラれてしまっているんですよね…つまり倫也にとって彼女らは尊敬する存在であったとしても恋愛対象にはならなかった…という事はクリエイターとして好きになったと貰えたとしても、本人自身の事を好きになってもらえるわけではないという裏返すと結構冷酷な結末ではなかったかと。

あとアニメ版では後半人気漫画家でありゲームクリエイターである紅坂朱音という傍若無人すぎる女傑のようなキャラが、人気ゲームを作らせるために英梨々と霞ヶ丘詩羽を引き抜いていくんですけど、劇場版ではその朱音が激務の末脳卒中で倒れ利き腕がマヒしてしまうというクリエイターにとってはもっとも恐ろしい事態もでてきます。(一応最後に後遺症もなく治っていますが)

あとエンドテロップの後いきなり入ってくる衝撃展開もかなり生々しいい。

というわけでこのアニメ(原作未読なのでスイマセン)、表向きはおたく主人公が美少女クリエイターに囲まれて夢をかなえるというもの凄いご都合主義の塊のように見えるんですけど、実はクリエイター残酷物語という裏の顔が要所要所に詰め込まれているという中々食わせ物な作品だと思ったのですが、いかがでしょうか?

 

 

 あと来館者特典の映画中のシーンの原画のコピー集です。アニメの原画は線画をたしなむ者にとっては非常に参考になる素材だと思いマッスル。

 

f:id:naruton2018:20191203163722j:plain