デンキ的まんが倶楽部

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「絵を見る技術」という本を参考にして、イラストを描いてみました。

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「絵を見る技術」
という本が話題になっているらしいので、買って読んでおります。この本には歴史的に有名な絵画をサンプルにしてその中の構図を分かりやすく解析し、その絵がどうして人の目を引き付ける力を持っているのかを解説してくれていておりまして絵を観賞するのが好きな人だけでなく写真、マンガの一コマの中の構図、キャライラストなどを手掛けているクリエーター全般にとってもいい参考書になってくれると思います。

 

実際今年の年賀状イラストも実はこの本を読んでから考えて描いたものでして、まことに手前味噌かつ僭越ながら拙作イラストをどういう意図で描いたのが説明させていただきます^^) _旦~~

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*先ずは絵の「フォーカルポイント」を決める。

フォーカルポイントというのはその絵の中で鑑賞者に一番注目してもらいたい部分の事をいうそうですこの絵の場合一番は顔から胸、次にえちえちな腰の丸み、そして細長い尻尾のカーブにしてみました。

 

*フォーカルポイントに鑑賞者の目が向かうように目線を誘導する

ただフォーカルポイントを設定したとしても鑑賞者がすんなり絵師の思い通りの部分に注目してくれるとは限らないので、鑑賞者の目線が自然にフォーカルポイントに向かうように誘導する構図にする必要があるそうです。古今東西の絵師はここを一番工夫しているんだとこの本を読むとよく分かります)

 

なのでこの絵では顔→胸→腰→尻尾を同一カーブ線上に配置し、なおかつ尻尾の先からもう一度顔に戻るように目線を誘導したいと思って、こういう構図にしたというわけです。₍ついでにハートマークにも見えるように工夫してみました)

 

●実際に絵内に示してみるとこんなイメージです。

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*文字と腕を三角形に配置

今作では一応年賀状という事もあり、言葉も絵の中に入れる必要があったのでその文字の配置についても工夫してみました。そこで文章を斜めに配置し動きを出すと同時に腕の向きと合わせて三角形になるようにもしてみました。

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三角形は絵の中の配置する事で絵が引き立つようになる形だと言われていますので。

 

*バランスの取れた絵にしたくば、キャンパスに対角線と等分割線を引いてから考える

あと全体の構図の取り方について。ぶっちゃけ絵の勉強をちゃんとしている人にとっては基本中の基本なのだそうですが、構図を考える前にキャンパスに対角線と分割線を引いておいてその中で決めてやると均整の取れた見栄えのいいものになるそうです。(人間というのは基本的にバランスが取れたものを見たがる傾向があるんだとか)

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四等分で足りないなら十六等分に。そうするとひし形が現れるのでこのひし形も構図の参考になりますね。

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これ以外にもさまざまな等分方法や分割のテクニックを駆使して描いてある絵についても解説がなされておりました。

だけど余程の熟練された絵師でもない限り、この四から十六等分の中で納めるのが一番ベターなんではないかと思います。

●実は今まで一枚絵の構図をあまり意識してこなかった…

実際今までまんがのコマの中の絵はともかく一枚絵の中の構図というものに関してはきちんと意識したことがなく、ただ漫然と思いついたままに描いていたところがあったんですが、この本などを読むと名画と言われるものでも決してフィーリングの赴くまま閃いたものを描いているわけではなく、絵師の緻密な計算の上で描かれているものだという事をちゃんと理解することができました。

この本には他にも色んな名画の構図の取り方のバリエーションとパターンをおよそ300頁にわたって分析して解説してくれているので絵に深い興味のある人ならぜひ。

 

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

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