デンキ的まんが倶楽部

電子書籍(まんが)を売るための情報収集を日々しております。

「ウエブ小説は簡素でインスタントの方がいい」ってのはなんか違うと思うんだ。

f:id:naruton2018:20190824222821j:plain

オリジナルキャラ「文川(ふみかわ)のべる」ちゃんです。人の価値を文章力だけで判断するというかなり偏った価値観で生きてる文字表現大好きっ娘です。また言葉遣いの間違ったSNSのユーザーに絡んでよく炎上させてるらしいです。

それはまあ置いといて本分は以下になります。(^^)

f:id:naruton2018:20190822185013j:plain

f:id:naruton2018:20190822185049j:plain


今月12日の日経新聞の文化面からウエブ小説変えるスマホという見出しで、記事によると小説家になろう」の1話あたりの文字数が近年だんだん減少しているとの事。上位100作品内だけでも13年には五千から1万字だったのが、18年には二千から三千字にまで減っているのだとか。

考えられる大きな要因はユーザーがアクセスしてくる端末がPCよりスマホの方が多くなったことにより、スマホで読まれるタイプに特化した小説、例えば短い文で読者のストレスを減らし物語の「谷」を1話内で処理し、主人公のピンチも長引かせると読者は離れるので避ける・・・という方針をとっているらしいです。

また会話形式でストーリーが進む「チャットノベル」(一昔前保守的な人々から散々叩かれた「ケータイ小説」の現代版的なもの?)のアプリ化を某大手出版社が始め、1話千二百から二千字の文字数で販売を開始しているそうです。

つまり「スマホで読む読者層のために、短時間で感情を動かすことを目的とし、そのために内容をできるだけ簡素にして平易にして書く。」ことを個人も企業も進めているという事だそうです。

 

とまあここからは個人的な読書体験から書かさせていただきますが、例え文章量が多く回りくどい言い回しをよく使っている長編小説でも、続きが気になりまくるほど没頭できる内容であれば量なんて気にせず数日で読破できますし、逆に1話数分で読める短編集とか買っても簡素過ぎて物足りなければ2、3話で読むのやめちゃったことも結構あるんですよね…(そもそも短くて簡素な内容で人を感動させるなんて事、作家として物凄い力量がないと無理じゃないのか?)

確かに作品に触れる入り口がスマホになった上に、今までにないタイプのスタイルの小説の発表方法が可能になって、色んな選択肢と可能性が広がったというのは勿論あるのでしょうけど、小説の評価が文章の長短だけで決まるものとはやはり思えませんし、最終的にはやっぱ作者の力量と作品に込めた熱量次第っていうのだけはどんだけ作品の出力方法が変わっても絶対に変わらないものだと思います。結局は周りの喧騒に踊らされ過ぎずに自分の創作活動をコツコツ愚直に積み重ねていくしかないというか。

naruton2018.hatenablog.com

 

それにこれは電子書籍まんが配信会社ナンバーナインの方から聞いたのですが、作品をタダ観で楽しむ客層と買って読む客層は異なっているんだそうです。一つ一つがが短くて簡易な作品を楽しんでいるのはタダ見層の方じゃないかという気がします。(だからネットで人気の出た作品をそのまま書籍化しても、必ずしも売れるとは限らないのはこのあたりに要因があるのかも)

 

 

ウェブ小説の衝撃: ネット発ヒットコンテンツのしくみ (単行本)