徳川美術館で「合戦図」展を見てきました。
徳川美術館で開催中の江戸期に書かれた戦や伝記を描いた合戦図や武器防具を展示している「合戦図」展を見てきました。
前に歌川国芳一派の浮世絵を紹介しましたが、江戸の人々にとっては昔の戦いの話や絵を見ることが娯楽の一つだったんだなというか、現代人が観ても十分興奮できる内容でした。
●デジタル復元された「大阪冬の陣」屏風図
写真撮影おkな展示物から、本展覧会の目玉の一つ、江戸幕府と豊臣家の間で起こった「大坂冬の陣図屏風」をデジタル技術でもって復元したものだそうです。この写真からはわかりにくいでしょうが、描いてある兵士や馬など全部にきちんと色までちゃんとついているんですよ
写真2枚目のやや左にある城郭が豊臣秀頼のいる大坂城、それを包囲している徳川軍の図式です。
これも撮影可な家康が身に着けたとされる甲冑レプリカです。全身黒というのはやはりカッコいい
これも撮影可だった長篠長久手の合戦図、右手にあるのが長篠城、左の端側に家康、信長、信忠、秀吉がいます。
●ここからは会場で購入した展示物冊子より抜粋したものです。
●蒙古襲来絵巻 模本巻上下
教科書やテレビなんかでよく見る、いわゆる元寇において鎌倉武士と元軍の戦いを描いた絵巻ですが、有名なのは上巻の絵ですが、実は下巻があってそこにはモンゴル軍の船を強襲している武士の様子も描かれております。
それから元軍の中に黒人ぽい兵士がいることに気がつきました。元軍は征服した国の民を兵に徴用していたと聞いたことありますが、実際にはかなりの多民族で構成されていたという事でしょうか?
●大江山絵詩巻下
これは源頼光が酒呑童子という鬼を退治したときの様子をイメージした絵巻です。ちなみに絵巻は右から左に行くにしたがって時間が経っているのを一枚の絵の中で表すという手法を取っています(今のまんがのようにシーンをコマで割るという発想がないため)
尚この本ではカットされていますが、一番右端には複数の女の人をはべらせて家の中で寝ている酒呑童子の絵があったんですが、その顔がアホ面すぎて面白かった
※酒呑童子を倒したこの物語は江戸時代に入っても語り継がれるくらい人気のある話で、迫力のある浮世絵も残ってます
※ちなみに2019年8月現在の「酒呑童子」の画像検索結果がこちらになります。
…どうしてこうなった(;^ω^)
・てこくま物語
室町時代物語大成の中の一つ。筑前国山鹿庄(やまがのじょう)の姫の身代わりとして差し出されて亡くなった忠臣の娘(てこくま)の敵討ち物語。本展示品には地方のこういう小さな戦いの絵巻も色々展示されておりました。
平家物語を右から左の時系列の順に追って見ていく屏風です。小さくて分かりにくいですが左側中央上にひよどり越えの奇襲をかける義経軍、やがて船での戦いになり、那須与一で有名な屋島の戦い、そして壇ノ浦で平家方が滅びるところまで描かれています。
上とはまた別の、狩野氏信作の源平合戦図屏風の一つ。与一が扇の的を射抜いた瞬間だけをピックアップして描いたもの
同じく江戸期に作られた平家物語図扇面。どうやら平家物語は男性だけでなく、女性ファンも獲得していた人気コンテンツ(?)だったらしい?
●関ケ原合戦図屏風
上の図左中央大きな砦中央に(岡山)と書いてあるので、ここが黒田長政らが拠点を置いた場所という事になりますでしょうか。本によるとこの屏風では描かれている人物その他があまり特定できないようですが…
二つ目、字が小さくて判別が困難なんですが、右方中央にある「小西○○?」や「石黒○○?」という陣地が陥落したのか炎上しています。この辺に関しては詳しい方にお任せしますか…
当ブログでは以上になります。開催期間は来月8日までとまだ余裕がありますので興味のある方はどうぞ。