デンキ的まんが倶楽部

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名古屋市科学館で開催中のピクサーの秘密展に行ってきました。

 

 

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名古屋市科学館にて開催中のピクサーの秘密展に行ってきました。この展覧会はCGに触った事のない人のためのCGの仕組みを数値を自由に調整できるテレビ付きマシンを使って教えてくれる展覧会でした。(なのでCGを普段やっている人には物足りないかも…)

●キャラクターの作り方

この展示でピクサーのキャラがどういう行程で作られているか大体わかりました。まず手描きのキャラクターの素案を作って、立体の人形に起こしてそれをコンピュータに取り込みんでから、どこに関節があってどう動くのかという骨組み(リグ)をはめ込む。そして表面の肌や服や模様を決めてコーティングして、そしてそのうえでお芝居の為の表情などを作っていく…というのが分かりました。特に表情を自由に作れるマシンが面白くて、眉毛の角度、目じりを上げるか下げるか、目線の位置はどの辺にするとか一つずつ決めていく感覚はほとんど手描きの作業と一緒なんだなあと実感。

あとキャラクター全体の動きについては「CGだから手描きに比べて簡単じゃないの?」とか勝手に思ってたんですが、そうでもなくて手描きアニメと同じで一つ一つのポーズは人間が調整してやっていかなければならないようで、これも結局アナログの延長のような作業の積み重ねで行われいるんだなあと。

 

●背景の作り方

次にあったのがキャラクター以外の小道具や背景を作る工程。CGは背景の小物から大型の建物を一つ一つ全部モデリングして作ってそれからX軸Y軸Z軸の3次元空間上に置いていかなければならないので、場合によっては見えない部分も作りこむ必要があったりこれは実写や手描きよりもはるかに大変なんではないかと。あと草原などを背景にする場合も草を一本ずつ植えていく作業などを経て作らなければならないようでこれはこれで気が遠くなりますよねえ…

 

●照明と演出

あとは照明と演出が自由に変えられるマシンも面白かったです。照明は照射するライトの角度、光量、色などでシーンの印象がまったく変わってしまいますし操作一つで自由に変えられるのは楽かもしれませんが、一つのシーンのカットごとに違和感なく調整していくのは至難の業ではないかとも。演出というのは風を吹かせるのと吹いてないのでは同じシーンでも出来栄えが全然違ったり、浅い川のシーンで水が動いてるのを止めると違和感ががすごかったり、モブキャラが大量に出てくる時は一人ひとりどう歩かせるとか色んなモノを同時に動かせるCGだからこそ逆に作業も増えてしまうのだなあと(その分あのハイクオリティすぎるアニメに仕上がるわけですが)

 

 

ピクサーというとあの超リアルで美麗なCGアニメをスマートに効率よくサクサク作っていると思い込んでたんですが、実は手描きとあまり変わらない泥臭い地味な作業の積み重ねで作られているんだなという事が分かって印象がだいぶ変わりましたねえ。なので次の新作を観るときも今回も展示を思い出しながら観ると別の楽しみ方ができるかもと。

あとCGというとゲームでも今はほとんどそうなので、今ワタクシめが沼ってるあつ森のグラフィックなんかもおそらく似たような工程で作られていると思うので、ゲーム制作の舞台裏も同時に覗けたようで色んな意味で面白い体験ができました。

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あつ森プレイ中一回だけ出てきたセリフ。たぶんこれシーグローブという家具をモデリングした製作者の自慢じゃないかと。