あいちトリエンナーレ2019を見てきました(その3)
いよいよ今月14日までとなったあいちトリエンナーレの作品紹介の3回目です。
名古屋市美術館その2
これは地下の吹き抜けに展示されている、交換など無償で集めた音楽バンドTシャツを縫い合わせて作った一枚の大きな布アート。重しにはスピーカーの皿の部分が吊ってあります。
版画のシルクスクリーンを1万回重ねると地形図のような模様が出てくるという事を示したアートだそうです。ちなみに人力でやっているようで、制作中の様子も映像でなながれていました。
日本人にはあまり知られていないと思われる台湾で1年に一度行われている「防空演習」の様子をドローンの空撮で取った映像です。空襲を知らせるサイレントともに街中には車も人もいっさいいなくなるようで、映像には確かに動くものがなにも映っていませんでした。台湾はいつでも戦争に備えているんですよとメッセージといいましょうか
下は遊園地のジオラマが爆発して木っ端みじんになって元に戻ってを繰り返す映像でした。
1977年に設立されたCIRというアメリカの非営利報道機関のスクープを、アニメとか演劇での映像で見せてくれる作品…のはずだったらしいんですが、例の展示物封鎖の件に抗議して作品を辞退させてしまったようです。( ;∀;)
代わりに同じ場所に作られていたのがこのブース。来た人が世間で感じた不自由を書いて壁に貼り付けられるようになっていました。(幸い自分はそういう経験は記憶にないので何も書けなかったです)
これは裏は原子炉、表は時計のイメージの機械仕掛けで動く巨大なアート
これは数メートルに及ぶ版画の作品。人間の歴史を昆虫の営みに例えて原始時代から今の時代まで描かれております、途中には核爆発なんかも
これは戦災や難民や差別や環境をテーマにした油彩絵です。2つ目は核爆発のイメージらしい
アニメ風な爆発を好んで描く日本人アーティストの作品。東日本大震災で被災した経験を作品に反映させているのだとか。確かにこういう爆発はアニメでよく見るかも
円道寺商店街会場作品
ここからは名古屋駅のすぐ近くにある、円頓寺商店街会場で見られる作品となります。今は使われなくなった店の中や歴史ある古民家を作品展示用に開放してつくられたものとなっております。(今回行政が芸術活動に関与するな的な意見がありますが、行政が関与しないとこういう場所に作品を置くのは難しいんですよ)
これは鹿沼市クレーン車暴走事故をテーマにした絵だそうです。他にも交通事故で亡くなった実際の子供をイメージにした絵も。
これは葛宇路という中国人アーティストが実際に北京市内の路上に自分の名前の書いた標識を卒業作品として立ててみたら、なんとそれが公式の地図やグーグルマップにまで載ってしまったという中国でしかありえない珍事を扱った作品。なおこのことが公になった後政府やマスコミを巻き込んで大問題となり、その後政府は北京市内のすべてに公的な名前をつけるようになったんだとか。中国政府の滑稽ぶりを皮肉っているんでしょう。
これも古民家の中に廃材やがらくたを積み上げ、その上に焦土と化した名古屋市のミニチュアが置いてあるという何かよく分からないけど不気味なアート
今回やっぱり気になったのが例の展示物騒動の結果、作品展示を取りやめてしまうアーティストが結構いたり、脅迫をおそれてなのか少し展示会場がピリピリしていたりと、せっかくの芸術祭の楽しい空気が損なわれてしまって悲しい気持ちになりました。