デンキ的まんが倶楽部

電子書籍(まんが)を売るための情報収集を日々しております。

ナンバーナインとnote主催のまんが家向け説明会&交流会に行ってきました。

 

 


8月2日に、お世話になっている電子書籍まんが配信代行会社ナンバーナインさまと、noteとcakeを運営しているピースオブケイクさまが合同で企画したまんが家達(プロアマ問わず)向けの説明会こと

ナンバーナイン漫画家交流会2019が東京青山のピースオブケイクさまのオフィスにて開催されたので参加してきました。

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外苑前駅からすぐ近くのビル4階にあるのがピースオブケイクさまのあるオフィスです。

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会場はこんな感じ。人が全く映っていないのは写真NGのほかのまんが家さんへの配慮ということで…実際には90人位? の人が来ていたのですが、その雰囲気を全く伝えられませんがご了承ください。

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・noteのコンセプトとは?

最初にnote代表の方からnoteのコンセプトについての説明がありました。noteが大事にしている事それは「クリエイター第一主義」だそうです。

ここでいうクリエイターとはプロアマ、有名無名一切関係なくnoteを媒体にして表現しているすべてのユーザーの事を指します。そのためクリエイターの心を乱すような例えばランキング形式などを採用せず、代わりにnoteの運営が個人的にピックアップした記事などを紹介したりしているとか。

確かに以前当ブログでも紹介した自分の4コママンガ作品に「小血鬼カミーラ」というのがあるのですが、

note.mu

アップロード再開3週目から「すごい」という自動ではありますが称賛リアクションがつき、4週目には「すてきです」という称賛リアクションがつきました。つまり毎週欠かさず投稿をつづければこのリアクションがコレクションしていけるというわけです。これによりほかのユーザーからのリアクションが皆無でも挫折させないように工夫がしてあるのが分かります。要するにこれがクリエーター第一主義というコンセプトの一環なのでしょう。

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●noteガチ勢になりたくばプロフィール欄を充実させよ

かといってnoteで作品を単純に発表しているだけではどうやら不十分なようで。

だったらまずどうすべきかというと、プロフィール欄に自分が何者で何をnoteで発信しきたいのかコンセプトをきちんと書いておいた方がいいとのこと。

見ての通り今のワタクシめnoteのプロフ欄は全く重視していなかったため、今はまだなんもなくスッカスカなのですが(;^ω^)、つまりこれではダメという事ですね・・・

だから例えばどんなタイプのまんがを描いていて、どういう人に見て貰いたいなどをキチンと記して充実させないといけないわけです。

また自分にまつわるSNSやその他のリンク先もきちんと分かりやすく貼ってその他の情報も包み隠さず公開すべきだという話も聞きました。

なのでここは自分も沢山フォロワーを獲得している人のプロフ欄を参考にするなどしてキチンとしたものを作りたいと思います。

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● プロフィール欄でリアクションテキストを作っておくべき

あとnoteではいいね!などをクリックされたとき短文が表記されるシステムがあるのですが、10種類くらい入れられるそうで、これに関しても自分の人格なんかを他のユーザーに伝えるためにきちんと設定しておくべきだそうです。

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●近日中にnoteで長編ストーリーまんがも掲載可能になるらしい

noteというとどうしても4コマやエッセイなど短いタイプのまんがにジャンルが偏っている感じがしていましたが、どうやら今キャプテン翼をひな型にして長編ストーリーまんが向けに対応させるようにシステムを改良し始めているようです。(ネットまんがでは難しかった「見開き」にも対応させるらしいです。いやーマジでまんがの読者を囲い込みに来てますねー

noteには他にも自作品を綴ってまとめておくマガジン機能(有料、無料どちらでも可)なんかも実装されています。

以上がこの日聞いた話を大雑把にまとめたものですが、「クリエイター第一主義」というコンセプトはよーく理解できました。あとはユーザー自身がどうやって機転を利かして上手に使いこなすかにかかってくるわけですね( 一一)

 

 あとは質疑応答で得た情報

・noteユーザーのボリュームゾーンは20代から30代半ば、あとは10代から20代

・露骨なエロや過激すぎるグロ描写はアカンようです

japan.cnet.com

 

 ●ナンバーナインの目指すものとは?

引き続き、ワタクシめもお世話になっている電子書籍まんが配信代行会社「ナンバーナイン」様のプレゼンでした。

同社の目指すべきものはまず漫画を描いて表現したい人(noteと同じくプロアマ問わず)が電子書籍配信により稼げるような市場を提供する事だそうです。そして基本立場は編集者ではなく、エージェンシー(代理店)でありたいとのこと。

実際のところ現段階では漫画家個人の細かいニーズに対応していけるような細かいものは物理的に困難ではあるものの、将来的には上にも書いたようにまんがを描いて公表している人全般に利益が配分されるようなプラットフォームを作ることが理想という事を言っておられました。つまり電子書籍において漫画家と読者をつなぐ道を整備していくという事になりますでしょうか。

今後の事業展開においては秘密にしておいてほしいという事なのでこれ以上は書きませんが、ただ一時除外していた成人向けまんがの配信代行は再び行っていくようです。

 

 

交流会、どうにも自分は全員が初対面という空気に負けかけてしまいましたがOTLそれでも数人の方から名刺だけはなんとか頂いてきましたよ。

ですが少しに気になったのがこの交流会時にあった寄せ描きです。漫画家の集まっている会場なんだからこぞってみんな描いていくかと思ったら空白が多い! なんでや! まんが描くのが好きなら空白にどんどん絵を埋めてかな!

(とゆーわけで自分だけ右の一角に色々描きのこしておきますた)

 

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今漫画家が感じている不安とは…

あとこれは自分の感じたものであくまで勝手な印象かも知れませんが、参加した漫画家さん達全体から漫画家業というものに対する不安を感じた気がしました。おそらくネットによりプロとアマの垣根が完全消滅し、流動性が凄く高くなってしまったということなどあるかもしれません。

確かに手塚治虫デビュー作の新宝島が1947年に発表されてから終戦からたった2年後の事、戦後日本文化の今後を決定的に決める出来事であったことには間違いない)戦後まんがの歴史も72年経ちました。人間で言うならもう高齢者です。

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その間に確立されていった確固たるまんがの形態をいうものが今総崩れを起こし半面ほんの僅かづつですが別形態に再構成されつつある状態に入ってきています。

実際15年に発売されたこの本「マンガの現在地」という本では冒頭編集者どうしの対談の中で、「マンガに起きているかつてない危機に対して、過去の実績や成功体験が、足かせにしかならない未来がやってくる」と冒頭で言いきっています。つまりは今活動している漫画家にとって今後は先輩漫画家達の成功パターンを模倣するだけはもはや通用しなくなる状況に入りつつある、前人未到の時代に入ったことを認識しなくてはいけないという事になるのでしょう。

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ただまんがというのは安価で多数の人に分かりやすく情報を発信していける非常に使い勝手のいいツールなので、ネットベンチャーや広告での潜在的なニーズはかなりあるのではないかと思います。それに今までなら雑誌に載せてもらう前提にすら立てなかったタイプの作品(それこそ今までまんがというのはペン入れされているのが当たり前だったわけですが、鉛筆で描いたのも発信して人気が得られるとか、昔は新都社くらいしかなかったんだよな…)だからやはりこれからは過去の固定観念にこだわらない人の方が強いのかもしれませんね

 

 

 

 

マンガの現在地! ―生態系から考える「新しい」マンガの形 (Next Creator Book)

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あと会場で貰った電子書籍配信についての説明用の薄い本とナンバーナイン謹製グッズはいいんですけど、暑い日のイベントにチョコレートはやめてほしかった。せっかくのグッズに汚いシミが… (;^ω^)

あとはナンバーナイン編集長の書かれたnoteの記事です。色々参考になるかと思います。

note.mu